競馬場放浪記

海外競馬場を訪問した記録を書き留めていきます

アケダクト競馬場を行く(アメリカ/ニューヨーク)

2個目の投稿は、2023年3月24日に訪問したニューヨークのアケダクト競馬場(Aqueduct Race Track)である。

 

まず、このアケダクト競馬場JFK空港からとても近いし、目の前に地下鉄の駅があるため非常にアクセスがいい。この地図の右下にあるのが空港で、左側に行くとあの有名なマンハッタンのあるNYCの中心だ。

まず、JFKから抜け出すためには、Airtrainというモノレールに乗らなければならない。

これに乗ると、Sutphin Blvd–Archer Av–JFK Airport駅か、Howard Beach JFK Airport駅に出ることなる。しかし前者の場合、アケダクト競馬場へ行くには一旦西に向かって電車を乗り換えた後、再び東へ戻ることとなり、1時間ほど時間がかかるため得策ではない。

そこで、後者をお勧めする。後者の場合には、Howard Beach JFK Airport駅で地下鉄Aラインに乗り換えることができ、そのAラインにAqueduct Racetrack駅があるからだ。このルートだと所要時間は30分ほどである。噂によるとこの駅には週末しか止まらないだとか、競馬が開催されている日しか止まらないだとかいろいろな情報があったのだが私の場合は運よくこの駅で降りることができた。しかし、この駅に止まらないとしても、隣駅(JFKからだと1つ手前)のAqueduct North Conduit Av駅には必ず止まるようなので、ここで下車し、徒歩で競馬場まで向かうことができる。競馬場の周りは閑静な住宅街といった感じだ。

 

レースは、10月~4月にかけて、週末に2日間、多いときは木曜から日曜にかけて4日間開催されている。コースは左回りでダート1,800m・芝1,600m、座席数は17,000もあり最大収容人数は40,000人のようである(例によってWikipediaより)。アケダクト競馬場は1894年に設立、1955年にはNYRAに買収され今に至っている。NYRAは、New York Racing Associationの略で、アケダクト競馬場、クラシック三冠最後のベルモントステークスの会場であるベルモント競馬場、そして夏競馬で有名なサラトガ競馬場の3場を管理する団体である。ホームページでは上記3会場のカレンダーから、出馬表、結果等あらゆる情報が網羅されており、非常に使いがってがいい。NYRAの競馬場の場合には、プログラムを買わずともこのサイトだけで一応こと足りそうである。

www.nyra.com

 

ちなみにこの130年の歴史を持つアケダクト競馬場だが、2022年に発表されたベルモント競馬場の改修を機に、数年のうちに閉鎖されるかもしれないという噂が浮上している。ベルモント競馬場は改修によって一年中競馬が開催できるようになる見通しであり、これにより現在冬にアケダクト競馬場で行われているレースがベルモント競馬場に移行、そして老朽化の進んだアケダクト競馬場は改修されることなく閉鎖されるというプランのようである。とはいえ、私が調べた限りでは正式に閉鎖が発表されているわけではなさそうなので、続報を待ちたいところだ。

www.canadiancasinos.ca

 

さて、やっと本題のアケダクト競馬場のレビューである。

まず、駅につくと駅から競馬場まで専用の通路が設置されている。写真左手に見えるのがその通路だ。このまま通路を進むと競馬場につくのだが、カジノの様子でも見ておくかと思い、カジノ側の入り口から入場することにした。ちなみに筆者は競馬以外のギャンブルに興味はない。

入口で年齢確認をしてカジノの中に入る。内装が豪華なうえに規模もそこそこでかくて競馬場への期待も上がる。なぜか中国人が多く、内装の割には客の服装はラフな感じだった。日本でいうパチンコのような感覚でカジノに来るんだろうなあと思いながら競馬ゾーンを目指す。

カジノを抜けて競馬場ゾーンに入ると、カジノの豪華な内装とは対照的に古びた内装に無数の椅子が並べられている。レース中継のモニターに馬券を握りしめるおっさんたちが群がる姿は、世界共通だ。

外から建物全体を眺める。最後に大きく改修されたのは、1950年頃らしいためやはり古びた印象をうける。

スタンドの目の前にパドックがあり、パドックの両端は馬場に直結している。

パノラマ写真で見るとわかりやすい。この写真の右手には無料で開放されている一般の席があり、左手にパドック。一番前の柵を超えるとすぐ先に馬場があるため、結構近くでレースを観戦できた。ゴール版は写真左側に見える赤と白のポールである。正面には小さめの液晶があるため、一応レース展開は把握することができる。

二階席からの景色。ゴール地点がパドックの向こう側にあるため、地上からは若干ゴールシーンが見づらいのだが、2階席からは最後までレースが見やすい。

1階にはTriple Crown Cafeといういかした名前のカフェがあり、コーヒーやハンバーガーを食べる人の姿が見られた。ちなみに、このカフェ以外には、NYRAのグッズが販売されている売店があるのみだ。しかも、その売店では飲み物の類は販売されていないほか、場内に自動販売機もない。一応、冷水器はあるのだが、飲み物は持参しておくことをオススメする。

 

さて、肝心のレースはというと、いつも通り箸にも棒にもかからないものであった。競馬場に到着して2レースほど偵察しているとどうやら人気している馬で固く決まっているようだったので、人気馬を軸にすることとした。パドックを眺めていると見るからに仕上がりの違う馬が一頭いたものの、ぱっとしない成績の馬だったため、どうせ来ないだろうとこれを華麗にスルー。その結果、こいつが3馬身ほど離して一着入線。単勝10倍はついていたため、ひどく後悔し、次からはすべてパドックを軸に勝負したところ、今度はすべて人気通りに決着するというありさまだった。結局、アケダクト競馬場では一発も当たらず。軽く稼いでマンハッタンでおいしいものを食べるという計画は破綻し、そのまま安宿へ向かうはめに。

と、散々な結果に終わったアケダクト競馬場であったが、"Run away!"と叫び続ける逃げ馬大好きおじさんや、やさしくプログラムの読み方を教えてくれたおばさん等、ニューヨークのローカルな雰囲気を満喫でき非常に満足であった。暇なときにでも教えてもらったプログラムの読み方を書ければと思うのだが、いかんせん面倒臭いのは目に見えているので重い腰を上げるのがいつになるのかはわからない。

上で話したが、アケダクト競馬場は近年閉鎖されるかもしれないので、気になる方は早めに訪れることを強くお勧めしておく。